11月1日は、紅茶の日!その由来の物語


一年中色々な記念日がありますが、

11月1日は、日本紅茶協会が制定した『紅茶の日』


由来は、日本人が初めて、

公式の場で紅茶を飲んだと推測される日

だからなのです。


その物語はというと・・・


伊勢(現在の鈴鹿市)の商人に、

大黒屋光太夫(だいこくやこうだゆう)という人がいました。


1783年、江戸への荷物を船に積み

出航しましたが、駿河沖で遭難。


なんと8カ月ほども漂流、そののち、

ロシアのアリューシャン列島に流れ着きます。


そこで帰国を願いながら4年ほど過ごした後、

女帝エカテリーナ2世に帰国を直訴すべく

大変な苦労を重ねながらシベリア大陸を横断、

サンクトペテルブルクに向かいます。


当時ロシアでは、

船乗りや船長は

身分の高い人物がなることが多かったため、

光大夫は丁寧な対応を受け、


さらに、光大夫の態度が

尊敬に値する立派なものであったことから、

人々に愛され、人気者になったと伝わっています。


そんな中、カテリーナに謁見する機会が訪れ、

漂流したいきさつや、

その後の暮らしなどについて話をし、

帰国を直訴しました。


はっきりとした記録が残っていないため

確定はできませんが、

おそらくこの期間に、

エカテリーナからお茶会に招かれたと

推測されているのです。


それが1791年の11月頃のことで、

日本人が(公式の場で)

初めて紅茶を飲んだ日と考えられています。


帰国の際には、

女王から時計など高価な贈り物を

受け取っているそうですし、

町で人気者だったという話も伝わっていますので、

どんなお茶会だったかは知る由はないものの、

きっと丁寧なもてなしをうけたのではないでしょうか。


ちなみに、

大黒屋光太夫の壮絶な人生は、小説や映画にもなっていますよ。


今の時代には考えられない

波乱万丈な生きざまに思いをはせながら、

今日もありがたく紅茶をいただきたいと思います。




島田 枝里 Official Website

フリーアナウンサー/ティータイムオーガナイザー/ ことばで想いを伝える 話し方コンサルタント